ゴオッ、と黒い球が飛んでくる。
「誰が当たるか!」素早く吉羅暁彦はそれをよける。
「バカヤロウ、よけるなって!」バリバリ、バチッ!!
咄嗟に金澤の張ったバリヤーに阻まれ、黒い球は力を失う。
はっと、振り返る吉羅。「すみません、先輩」
二人の視線の先には、地面にへたり込んでいる音楽科の少女が二人。
「早く逃げろ!」金澤の声に、少女達は怯えた様子で、弱々しく首を横に振る。「む、ムリ……」「た、立てないんだってば……」
チッ、と吉羅が舌打ちした瞬間。
「暁彦!大丈夫?」「金澤先輩、この二人は任せて下さい!」
「姉さん!朝日先輩」
駆けてきたのは、やはり音楽科の制服の少女が二人。その場に崩れている少女達を抱え、何とか離れようとする。
「吉羅、こいつ、何としでても今しとめるぞ!」
そう金澤が吠えた瞬間。
ゴオオオ
「!?な、何だ!?」「またブラックホールか!?……違う、これはファータの……」
吉羅美夜も目を空中に向ける。「これは……ファータの、聖なる力……?リリ?」
ゴオオオ
「きゃあっ!」「うわあっ!」ドサッ、と落下したのは、音楽科の制服を着崩した少年と、普通科の制服の少女。
抜粋です。若かりし理事長&金やんコンビ、大活躍vvv