枯れない華


「新年明けましておめでとうございます」
そんな正月の決まり文句と共に銀次達が無限城へ来たのは夜も更ける頃だった。
「銀次さん!新年明けましておめでとうございます」
銀次達に気が付いたマクベスはちょこんと御辞儀した。
「おいおい、俺達は無視かよ」
士度が苦笑するとマクベスはクスッと笑った。
「みんな、新年明けましておめでとう」
「マクベス、十兵衛知りませんか?」
その時、奥から朔羅が割烹着にお玉という格好で出てきた。
「え、知らないよ」
「俊樹に訊いても解らないって言うの。まったく・・・この忙しい日に何処に行ったんだか・・・」
眉根を寄せて困った顔をする。
「・・・ねぇ」
そんな二人の様子を見ながら銀次は恐る恐るといった風に声をかけた。
「「何ですか?」」
「今日ってさ、1月1日だよね?」
チョコンと小首を傾げる。
「ええ、そうですけど・・・」
「かづっちゃんの誕生日って今日じゃなかったっけ?」
両者の間に沈黙が下りる。
「「あああああ〜〜〜〜〜!!!!」」
二人の大声に銀次達は耳を塞いだ。
「それじゃあ、もしかしてもしかしなくとも花月君の所だよね」
「そう・・・ですね」
明らかに落胆した様子の二人に銀次達はかける言葉も無い。
「姉者、MAKUBEX今帰った」
そこへ丁度いい具合に話の中心人物が現れて。
「十兵衛!あなた何処へ行っていたの!」
朔羅は凄い形相で十兵衛を問い詰める。
「何処へって・・・花月の所に決まっているではないか」
平然と言う十兵衛に朔羅の堪忍袋の緒が切れそうになる。
しかし
「さ、朔羅」
十兵衛の後ろから花月が顔だけ出した。
「あ、花月新年明けましておめでとう」
花月に対してはニッコリと言う朔羅に一同心の中でツッコミを入れる。
「あ、あのね朔羅。十兵衛を怒らないで」
「何故です?」
「えっと・・・その・・・」
暫く躊躇った後、花月はのろのろとした足取りで皆の前へ出た。
「十兵衛にコレの着付け手伝ってもらって遅くなったんだ」
かぁぁぁと紅くなりながら言った。
「まぁ・・・見事ですねぇ」
皆、花月のその姿に見惚れる。
「久しぶりにコレ(振袖)着たから手間取っちゃって」
そう言う花月は、桜色の艶やかな振袖を纏っていた。
「どうしたの?それ」
銀次がタレて花月の肩に乗る。
「十兵衛からの誕生日プレゼントなんです」
頬を仄かに染めて花月は嬉しそうに言い、十兵衛はそっぽを向いている。
「まぁとりあえず料理も出来たし始めましょうか」
「そうだね」





メインルームに行くと、既にいつもの面子が揃っていた。
「おぉ〜銀次はんやないか!」
「い、痛いって笑師〜」
笑いながら皆、酒盛りをしている。
年に一度の無礼講。
MAKUBEXも朔羅も眼を瞑って賑やかだ。
そんな中、十兵衛と花月は屋上にいた。
「ねぇ十兵衛」
「何だ?」
花月を自分の上着で包んで抱きしめながら十兵衛が相槌を打つ。
「ありがとう」
「?」
「今日が僕の誕生日だって事覚えててくれて」
「当然だ」
その言い方に花月が楽しそうに鈴の転がる様な声を立てて笑う。
「あと、まっさきに会いに来てくれてありがとう」
回された十兵衛の腕に自分の手を置いて体重を預ける。
「元旦だから結構忘れがちなんだけど君がまっさきに来てくれて本当に嬉しかったんだ」
「あぁ。花月」
「なぁに?」
十兵衛に背を預けたまま首を傾げる。
「生まれてきてくれてありがとう。そして、今年もよろしく頼む」
その言葉に花月は目を見開いて、でも穏やかな表情で言った。
「うん。こちらこそ今年もよろしくね」



年が明けていく
願わくば、君と一緒にこれからもずっと一緒にいられますように・・・




★END★



猫月様より頂いたステキな新年ストーリー。あまりに可愛いので、アップさせて頂きましたvもうらぶらぶ!可愛いです〜vvvv
ありがとうございました、猫月ちゃん!


                                      
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