カアアアアアッ!!
『何、一体私、どうなっちゃったの!?』いたたまれなくなり、タオルを彼の背中に押し付けた。「す、すみません、火原先輩!失礼しますっ!」
「え、ま、待って、香穂ちゃん!」
「追いかけてこないでっ!」悲鳴のような少女の声に、足が止まる。
そのまま、火原はトン、と壁にもたれかかり、ずりずり、床に座り込んだ。
「え……香穂ちゃん?ちょっと、今のって?」真っ赤な顔を、膝の間に埋める。
「ちょっと、香穂ちゃん……頼むよ、おれを、舞い上がらせないでよ……勘違いしそうになってるよ、おれ……勘違いしたくてたまんないよ……」つぶやきながら、タオルを頭に被る。
が、くしょん!
くしゃみと共に、顔を挙げ。
「やっべ、本当にやばいかも」慌てて身体を拭く。が、そのタオルが少女が使ったものだったことを思い出し、再び真っ赤になって顔を埋める。
「……やばいよ、香穂ちゃん……ダメだってば……」
「longing
you」より抜粋です。香穂子を巡る、火原&月森の三角関係、シリアスな話になってます。一応オールキャラ登場ですが、柚木様が結構登場回数多いかも。